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忍者について記している忍術書―歴史から心得まで

公開日: : 最終更新日:2016/11/18 未分類

忍者が書いた忍術書には『万川集海』『忍秘伝』『正忍記』といったものがあります。そこには忍者についてさまざまなことが記されています。
その詳しい内容とは?そしてその中に記された忍者の姿は正確なものなのでしょうか?

忍術書

忍者によって口頭で伝えられてきた忍びの術や、他に書き記されたものをもとにまとめ上げたものを忍術書といいます。日本や中国の軍学書を参考にして、忍術の権威を高めようとして書かれています。

忍術書には忍者の歴史や忍者としての心構えや方法、道具などについて記されています。その代表的なものに、『万川集海』『忍秘伝』『正忍記』があります。

『万川集海』は伊賀国郷士で藤林長門守の子孫である藤林左武次保武によってまとめられた、二十二巻、別巻一巻から成る膨大な忍術書です。
伊賀・甲賀の四十九流の忍術をまとめたと書かれており、忍術について書かれた傑作といえます。

『万川集海』に書かれているのは忍術だけではなく、忍者としての心構えについても多くが割かれています。忍者は陰謀や策謀を用いる存在ですが、その根本には仁義忠信を守ることが大切であり、それがなければ臨機応変に計略を遂行することができない、と書かれています。

同時に、私利私欲に基づいて忍術を使うことや、酒・女・物欲にふけることを固く戒めています。

また、『葉隠』に通じるような、主君に対しての忠誠を示すためならば命を捨てることに対して、恥を忍んでも逃げ帰って敵の情報を伝えることこそ忍者の忠義の在り方である、とも書かれています。

『忍秘伝』は服部半蔵家に伝わる忍術書であり、「伊賀甲賀の伝記」「忍道具秘伝」「忍出立秘伝」「忍隠密秘法」の四巻からなり、一部の記述は『万川集海』と共通しています。

『正忍記』は三巻から成る忍術書で、紀州藩の軍学者である名取三十郎正澄によって著されました。忍びの実践的な技術や呪術などが書かれているほか、人の心を見通すことが忍びとして重要であると示されています。

こうした忍術書は、多くが江戸中期に書かれたものです。そのため、口伝として伝えられたものに誤りがある場合や、
忍者の子孫が自分の祖先について書いているためにその人物を大袈裟に書いてしまうこと、中国の文献をそのまま写しており日本の城郭に潜入するのには適さないことがある、などの問題点もあります。

たとえば、フィクションの忍術としても有名な水蜘蛛などは中国の本に書かれていたものをそのまま書いた、という説もあります。

また、重要な部分は口伝とされているものが多く、秘伝書の内容があまり伝わっていない部分もあります。

それであっても、戦国時代に忍者が書き記したような文書はないため、忍術書は重要な資料であることに変わりはありません。

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