*

『落第忍者乱太郎』(アニメ「忍たま乱太郎」原作)―国民的娯楽作の魅力

公開日: : 最終更新日:2018/04/20 未分類

『落第忍者乱太郎』は尼子騒兵衛原作、30年にわたって朝日小学生新聞で連載されている漫画です。忍者を題材にした漫画、といえばこの作品を思い浮かべる人も多いかもしれません。

忍たま

大人気かつ放送が20年以上も続く長寿アニメの『忍たま乱太郎』の原作と言ったほうがわかりやすい人も多いかもしれません。

一流の忍者になることを目指して生徒たちが勤しんでいる「忍術学園」。

登場人物はその生徒である、先祖代々の三流忍者の家系で出世を目指す、目は悪くお人よしだが駆け足は抜群の猪名寺乱太郎。
金にうるさくアルバイトで逞しく生きている摂津のきり丸。大商人の跡取りにしておおらかな性格の福富しんべヱ。この3人組が主人公となり、
学園内外で引き起こされる騒動に取り組んでいく、というのが主なストーリーとなります。

当初は、乱太郎たちが編入されている「一年は組」の生徒が主な登場人物でしたが、連載が進むにしたがって、
忍術学園の様々な委員会に所属する先輩の生徒たちや多くの先生が登場するようになります。美形のキャラクターが増えていったことから女性人気も上がっていきました。

漫画『落第忍者乱太郎』では、作者の尼子騒兵衛氏が忍術書である『万川集海』『忍秘伝』を所持しており、
忍者が使う武器や術がイラスト付き、かつわかりやすい紹介がされているので、忍術について興味を持たせてくれる作品といえます。

多くの忍者漫画とは異なり、二年い組の野村先生が伊賀流、
元忍術学園教師の大木先生(ポプラ社『らくだいにんじゃらんたろう』では一年は組の担任)が甲賀流であること以外は忍者の流派はあまり明らかにされておらず、
忍術学園は流派の枠を越えた幅広い忍者養成学校と推測できます。

舞台となる室町時代後期の風俗や文化などを詳しく描写している一方で、初期では自動販売機や冷蔵庫があるなどのギャグ(アニメ『忍たま乱太郎』ではより露骨に、カレーやオムレツが食堂に出ていたりする)もあります。

またメタフィクション的なギャグが多く、「枠線をめくると別の舞台になり、登場人物がその垣根を使って往来する」ものや、
「登場人物が作者の尼子氏に文句をつける」、「吹き出しを長く伸ばして棒として、あるいは枠線を破って縄として武器に使う」などというものがあります
(一年は組の土井半助先生曰く「利用できるものはなんでも利用するのが忍者」とのこと)。

一方、戦災孤児であるきり丸が自分の境遇についてふとこぼしたり、土井先生も戦乱で家族を失ったという描写があるなど、シリアスなシーンもたまに描写されます。

このような多様な切り口や要素が上手く絡みあい、『落第忍者乱太郎』は万人が楽しめる忍者漫画となったのではないでしょうか。

関連記事

心

忍者の心得「五情・五欲の理」―現代のビジネスにも通じる人心掌握術

忍者の心得とは何が必要だったのでしょうか?さまざまな忍法を使いこなすと共に、諜報員としての役割が求め

記事を読む

忍術書

忍者について記している忍術書―歴史から心得まで

忍者が書いた忍術書には『万川集海』『忍秘伝』『正忍記』といったものがあります。そこには忍者についてさ

記事を読む

影丸

『伊賀の影丸』横山光輝―多彩な忍法合戦とその中のカタルシス

『伊賀の影丸』は、漫画家の横山光輝さんの代表作のひとつです。江戸幕府に仕える公儀隠密の頭領である五代

記事を読む

四方手裏剣

忍者の使った武器とは―手裏剣、刀、隠し武器、火器、毒物まで

忍者の武器には手裏剣、忍び刀、火薬、毒物など様々なものがありました。それらはどう使い割れられたのか?

記事を読む

忍者

実際の忍術とは―経験と修行の果てに見いだされた技や装備

忍術とは実際には何だったのでしょうか?また、忍者は一体どのように行動し、戦ったのでしょうか。そしてそ

記事を読む

忍者

忍者のルーツとは?―歴史の中で生み出された忍者たち

忍者のルーツがどこにあるのか考えてみたことはあるでしょうか。歴史に名を残す人物が結成した?あるいは偉

記事を読む

赤影

『仮面の忍者赤影』横山光輝―ダイナミックな忍法が織りなすロマン

『仮面の忍者赤影』は、横山光輝さんの代表作の一つである漫画です。漫画だけではなく、これを原作とした特

記事を読む

家康

あの人も実は忍者だった!?―歴史に名を残した人物たち

あの有名な人物は実は忍者だった!? 戦略家、武将、文人など、ジャンルは様々に分かれていても、現

記事を読む

嵐

忍者がモデルの特撮ヒーローたち―「変身忍者嵐」から「手裏剣戦隊ニンニンジャー」まで

忍者をモデルにした特撮ヒーローは数々います。その能力は迫力あるカッコいいものから、ユニークなものまで

記事を読む

PAGE TOP ↑